スーパーエンジェルとLean VCの台頭

ネットバブルの時代は、ベンチャーキャピタルの最盛期であり、拡大期であった。その後の不振を経た後、最近はプライベート・エクイティやエンジェル投資家の存在感が増している。PEはレイターステージやメザニンステージの大型増資で重要な投資家になり、エンジェルはシードからアーリーステージまでの初期の資金調達において確固たる地位を占めている。
VCの中でも形態が変化している。エンジェル投資家がグループを組んで個人向けのベンチャー投資ファンドを作り、そのGPである個人(エンジェルのリーダー格)はVCと同様にシリーズA以降にも投資を行い、スーパー・エンジェルと呼ばれる。VCにおいても、シードとシリーズA段階の少額のベンチャー投資を専門とするマイクロ・ベンチャーキャピタルあるいはリーン・ベンチャーキャピタル(Lean Venture Capital)と呼ばれる組織が登場し、費用を抑えた低コストのベンチャー企業へ投資しており、1970年代の手作りのVCの姿を彷彿とさせる。Paul Grahamは、ベンチャー投資の現状をVCとスーパー・エンジェルの競合による「混乱期」と述べているが、どのような展開になるのだろうか。
下の表は、CrunchBaseのデータを用いて、従業員200名以上のベンチャー企業のうちSeed/Angel Financeを行っているものを抽出したものであるが、想像していた通りこういうスタートアップ・ファイナンスを経験した成長企業が多い。Grahamが言うように、かなり存在感のある勢力になっているようだ。