アメリカのベンチャーキャピタルの忘年会

このブログでいくつかアメリカVCのテーマを取り上げたが、下記のイベントでは今の市場環境、技術、トレンド、VCのポジショニングが筆者の考えと似ていて我が意を得た感があるので、少し紹介したい。

再来週の12月13日から15日にHalf Moon Bay(サンフランシスコの南)のリッツ・カールトンで、AllwaysOnシリコンバレーのハイテク・メディア)が"Venture Summit Silicon Valley 2010: Where Big Ideas Meet Big Moneyという、来年を展望する忘年会イベントが開催される予定である。
AllwaysOnはベンチャーファイナンスの内輪話を公にするメディアであるが、このイベントはアメリカらしくなく(?)、今の厳しい実情を直視して生の真実を議論しようというような姿勢を感じる。ホームページの告知上の内容ではあるが。

この会は(まだ二度目ではあるが)、"The 2010 Venture Capital 100"という賞がある。(拙訳)『ベンチャーキャピタル産業は過去十年の氷河期を模索してきた。当社執筆陣は多数の専門家の協力を得て、全米のVCファームの投資先データと情報を分析・集計し、数あるVCの中で賢明かつ規律を保って高成長企業を創出しているベンチャーキャピタル100社を発表し表彰する予定である。過去10年で二度の暴落を経験するなど株式市場の不振が続いたが、その中で好ファンド・パフォーマンスを上げたVCはまさに忍耐強く粘り強いチームとして賞賛されるべきである。・・・』全米のVCの中からトップVC100をノミネートして表彰するようだ。

また、イベントの各セッションのテーマは、現在の環境そのものが写し出されているようで、とても興味深い。
●Trends and Topics
IPO & M&A Outlook for 2011(来年のIPO/M&Aの展望)
・Super Angels Take Flight(スーパーエンジェルの飛躍)
・Where the Money is in Mobile(モバイル投資はどうなるか)
・How to Play the Bull Market(弱気相場にどう対処するか)
・Betting on SaS and the Cloud(SaS/Cloud技術時代の投資戦略)
・VC Titans Power On(巨大ベンチャーキャピタルの動向)
・Top Picks for 2011(来年のトップ・トピックス)
・The Green in Green(クリーンテック動向)

各セッションの具体的なテーマをみると、
・Closing the Capital Gap(VCとスーパーエンジェル、マイクロVCの役割、影響は)
・Traditional Exits vs. Alternative Liquidity(IPO以外のEXITは来年および長期的にどうなるか、どうすべきか)
Growth Equity Investment Opportunities(グロース・キャピタル戦略に対する考え方)
・CleanTech Roundtable(クリーンテック産業・座談会)
・The Anatomy of a Startup(スタートアップ企業を探る)
・The Seed Round(シード投資動向)
・The Globalization of Entrepreneurship(ベンチャー起業の国際動向)

以上、何とも盛り沢山なイベントである。西海岸だし値段もお安くないので、筆者は出席しません。後で資料を借りようかと思うが、知人が出ているかどうか。