「ググられ度」にみるフェイスブック


映画の入りが今一つだったせいで、先週はフェイスブックが日本では流行らないと示唆するようなタッチで記したが、後で少し考えてみた。ブログの良い所は記事をフォローアップできる点である。

映画とコラボするように、1月29日号の週刊ダイヤモンド、2月1日号の週刊エコノミストフェイスブックの特集を組んでいるせいか、インターネット上ではかなり盛り上がっている感じがする。もっとも、ネットは世の大多数を占めるレイト・マジョリティからは先走りすぎて関係が薄いのが普通ではあるが。

グーグル・トレンドGoogle検索数を調べたのが図(上)だが、日本国内で「フェイスブック」のGoogle検索件数は想像以上に急上昇している。グーグル・トレンドの計測値は、キーワード(ここでは日本語の「フェイスブック」)が各国でググられた検索件数を相対値で示したもの。だから、図の数値は検索件数の多少ではなく、あくまでもGoogleがそのキーワードを登録した時点と比較してどれだけ増えているかとか、他の時点と比べて増えているか減っているかの比較に使うことができる。

相対比較とはいっても、フェイスブックは急速にググられている。図のように去年初めのツイッターと同じような動きだが、検索数の増え方はツイッターを上回り、今年になって最近3週間で検索数が5倍になっているようだ。
フェイスブックが凄いのは、アメリカ国内ではこの相対値が現在まで2年以上にわたって継続的にどんどんと増えていることである(図・中)。この違いは日本のSNSと比べれば想像できるだろう(図・下)。とにかくネットユーザー全体がフェイスブックがらみで何かを探しているということだ。ユーザーが誰かにアプローチするために検索が増えているのか、アプリを調べているのか。ともかくも、他人がフェイスブックの中は調べられないから、ターゲットとなるユーザーの玄関(ユーザーネーム)を検索して友達になるしかない。玄関の中までは検索できないグーグルにとっては6億人のコミュニティは脅威なのだ(と想像する)。

ただし、このグーグル・トレンドの数値はサイトのトラフィック全体数とは別物だ。検索はインターネット空間で能動的に動いて収集する層が行う行動であって、そのマーケットにフェイスブックの認知度が高まっている、流行っていると考えたほうがいい。さて、斬新な洋物で終わるか、日本のネット文化に根づいていくか、目は離せない。風吹けば桶屋、ツイッターフェイスブックのおかげ?で、日本のネット企業の株価もここ2ケ月は一部は見直されているし、今年はLinkedInがIPOを予定、フェイスブックも来春の株式公開を検討中と大きな話で賑わい、株式市場が盛り上がる材料が出てきた。

しかし・・・Facebook、日本語ではフェイスブックと言うのが同社の定める正式名称だが、グーグル・トレンドをみると、「フェースブック」も併用されている。読売新聞日経ビジネスは「フェースブック派」、日経新聞は両者を併用。どっちを使おうか。